ベトナムエンジニアの仕事に対する責任感(残業など)と家族に対する価値観

ベトナムで働くベトナム人エンジニアの仕事に対する責任感と家族に対する価値観について執筆致します。オフショア開発を依頼する時、緊急時のトラブル時や、納期ギリギリのプロジェクトが差し迫った時、どのように対応するのでしょうか。

ベトナム人の家族に対する価値観

我々は決してそんなつもりはなくても、ベトナム人から見ると、日本人の家族は冷たいという印象を持つことがあるようです。

ベトナム人は親里を離れたとしても、毎日両親と電話やビデオ、チャットで連絡をとりあうようで、実家が近い場合は毎週のように帰省することがあります。

田舎から東京に上京した日本人は、いくらLINEが手軽で、Zoomが使えたとしても、毎日連絡をとっている人は多くはないのではないでしょうか。
実家に帰省するのも、お盆休み、正月ぐらいでしょう。
仕事が忙しい人はそれもままならないことだってあります。

私もベトナムに出張する中で何度か、TOMOSIA社のアン社長のお兄さん、お姉さん、従兄弟、ご両親などと一緒に会食をさせて頂きました。

日本人の感覚からすると、本当に大切なビジネスパートナーだとしても、自分の両親や兄弟に合わせる場というと、自分の結婚式ぐらいでしょうか?なかなか珍しい感覚でした

また、結婚後も、両親や兄弟との食事やレジャーを優先する人もいるようです。

ベトナム人にとっては、お金を持っている人が、お金を持っていない家族の面倒を見ることが普通とされているため、結婚後に奥様のご両親やご兄弟と一緒に住むなんてこともあり得ます。

日本人の感覚からすると、少し重たい家族会議になるかもしれませんね。

緊急時のトラブル時、納期ギリギリのプロジェクトが差し迫った時

こうした家族に対する価値観を持っているため、当然無茶なお仕事を依頼することは良くありません。

ですが、クライアントからの厳しい要求に対して、PMが期待値のコントロールをできなかったことが原因で、納期がかなり厳しいプロジェクトは日本にも多々発生しているのも事実です。

どうしてもガントチャート通りに開発が進まない時、私たちはベトナムのエンジニアに対して残業をお願いすることがあります。

彼らは良くも悪くも日本人と同じで、比較的ワークホリックで、とても熱心に仕事をしてくれます。

ある人は、20:00~22:00に、自身の日本語学校の授業が終わった後、22:00~03:00まで残業を、しかも連日行ってくれました。

ある人は、土日を返上して、残業してくれました。過去、最も炎上した開発案件の際には、およそ2ヶ月にわたり、一切土日祝日の休みを取らず、開発を行ってくれました。

あるインターン生の学生エンジニアは、普段は午前中だけの仕事という契約であるにもかかわらず、学校が終わったあと、19:00~24:00まで残業をしてくれました。

ある人は、緊急時のトラブルが発生した時、テト(ベトナムの旧正月で毎年2月ごろ)期間中であるにもかかわらず、Facebookのメッセンジャーですぐに既読になり、速やかに修正を加えてくれました。

あるいは、「稼ぎたい」という思いの強いエンジニアは、率先して残業を申し出てきて、もっとタスクが欲しいと申し出る強者もたくさんいました。

彼らのおかげで、プロジェクトはことなきを得て、無事炎上を消化、納品できたことが多々あります。

当然、こうしたトラブルを巻き起こしてしまった我々のマネジメントに課題と責任がありますが、どれだけ周到にプロジェクトを進めていても、こうしたトラブルが0になることはないと思います。
なるべくこうした負担をかけないよう最大限の配慮を行いつつ、でもいざという時、彼らは納品まで責任を持って仕事をしてくれるということは、プロジェクトマネージャーにとって心強い限りです。

まとめ

国を問わず、いくら一生懸命対応してくれるからと言って、無茶なスケジュールを強いることは当然良くありません。

そして、私の所感としては、日本人と比べて、ベトナム人の方が、家族との時間や空間を大切にする傾向にあるように感じます。

現地で働いてくれている方々に最大限の尊敬を持ち、文化の違いを尊重し、プロジェクトを進めていくことが求められます。

いざという時の彼らの責任感やパワーに対して、心強さを持ちつつ、そのプロジェクトのPMが、クライアントや決裁者の「期待値のコントロール」を行うことこそ、最も重要なことだと言えるでしょう。