ベトナムの宗教について解説をしていきます

ベトナムの観光スポットはお寺があったり、ハノイやホーチミンなどの大きな街中にはキリスト教の大聖堂もあったりします。そこで、ベトナムのカルチャーに魅了された人は、ベトナムの宗教事情に関して疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。今回は、ベトナムの宗教について解説をしていきます。

ベトナム人にとっての宗教って?

はじめに、ベトナムにおける宗教関係の事情の基本情報として知っておいていただきたいのは、ベトナムの国民の大多数が無宗教であると言う点です。
これに関しては、現在の日本人と同じような傾向をたどっていると言えるでしょう。
実際に日本でも、現在の20-30代の若者は実家が無宗教であっても、慣習的にご先祖様にお祈りをしていたり、コミュニティースペースとしてお寺に行ったりする機会があると思います。
ベトナムでもこれは全く一緒の現象です。
詳しく言えば、ベトナム人も特定の宗教に深くのめり込んでいるわけではありませんが、一般的な慣習としてお寺を訪れたり、宗教に関係するイベントを習わしとして楽しんだりします。
宗教に関する柔軟な考え方と言う視点では、極めて日本人のカルチャーと近いと言えるのではないでしょうか。

儒教文化

毎日もしくは毎週お寺などにお祈りに行くと言うレベルではなくても、ベトナムの社会には儒教の文化が非常によく浸透しているといえます。
儒教とは、中国の孔子の教えに基づいた東アジア全般で見られるカルチャーの1つですが、ベトナムの儒教文化は日本よりもずっとレベルが高いレベルで浸透しています。
その浸透性を観察するときに、1番明らかなのが言語の違いです。
日本語では相手を選ばずに誰に対しても丁寧な話し方で話すことが推奨されています。
それに対してベトナムでは、年功序列制の儒教の教えに基づき、話す相手によって動詞の種類や話し方を変えます。
そのためベトナムでは自己紹介をするときに何年生まれかなどをあらかじめ言っておくことがスタンダードです。
年齢を相手に明かすことによって、あらかじめ自分がどちらの話し方で相手に接すればいいのかを明らかにします。

仏教


大多数の国民が無宗教であると言っても、残りの20-30%は、自分が宗教を信じていると自覚しています。
その中でも1番信じられている多数派の宗教はやはり仏教です。
これまでにベトナムに関して深く関わってきた人はご存知の通り、ベトナムのカルチャーは中国文化の影響を色濃く受けています。
そのため、中国経由で伝わってきた仏教がベトナムの社会のあらゆる部分に新しいアイデアを与えてきました。

例えば、ベトナムの仏教芸術等は、ベトナムが漢字を使わない社会であるにもかかわらず、石碑や紙には漢字で文字が書いてあるのを見つけることがよくあります。
これは、仏教という宗教を通じて中国のカルチャーがベトナムに流れ込んできた事の良い例だといえます。

キリスト教


2つ目にベトナムでよく取り上げられる宗教が、キリスト教です。
ベトナムはフランスの植民地の影響も受けてきたので、ハノイの大教会や、ホーチミンの大聖堂などで、こういったキリスト教カルチャーの片鱗が所々に見受けられる国です。

筆者の友人にもベトナム人のクリスチャンがおり、彼女は毎週教会に行き、隔週で協会関係の孤児院ボランティアに出かけていると言っていました。
キリスト教を信じる人は、こういったソーシャル的なイベントにも積極的に参加しているようです。
キリスト教がベトナムに与えた影響の1つとしては、建築文化の発達に貢献してきた点です。
有名な大聖堂に代表されるように、キリスト教の建築はベトナム建築士において目覚ましい成長のステップの1つとして機能してきました。
ベトナム建築の芸術センスは、こういったキリスト教文化のセンスにインスパイアされたものも多いです。

その他の宗教

最後にその他の宗教に関してお話をしておきます。
これまで説明してきたように、ベトナムは主に無宗教の国であり、残りの宗教を信じる人は仏教やキリスト教にカテゴライズされます。
ではその他の宗教はどうなのかと言うと、ヒンドゥー教やイスラム教を信じている人もいますがこういう人はベトナム人では地元ベトナム人ではなく、仕事などで移民をしてきた人などが多いです。
ただし、ベトナムでは宗教に関して差別をしたりする風潮は無いので、相手が違う宗教を信じていたところで攻撃的な姿勢を取ったりする事はまずないと思って問題ありません。

なお、世界の宗教ヒンドゥー教やイスラム教などでは食べられない種類のお肉があったりしますが、ベトナムはこういった宗教による食事制限はほぼありません。
しかし、仏教の教えに菜食の勧めがあるため、定期的に肉や魚の食事を避ける習慣が根強く残っています。