日本の労働者不足を支えるベトナム人

深刻な労働者不足の日本において、2019年4月より改正入管法が施行され、今後5年間で34万人を超える外国人労働者の受け入れが見込まれています。中でも、ベトナム人人材の急増が著しく、過去に留学生や技能実習として来日経験あるベトナム人でさえ再び日本行きを目指すケースもあり、ベトナム人の日本への流れは留まるところなく続いている現状です。

ベトナム人労働者数の増加率は上昇

厚生労働省によりますとベトナム人労働者数は、
2012年:2万6828人
2013年:3万7537人
2014年:6万1168人
2015年:11万0013人
2016年:17万2018人
2017年:24万0259人
2018年:31万6840人
2019年:40万1326人
と増加率が上昇。国籍別に見ますと中国に次いで2番目に多い労働者数となっています。

産業別ベトナム人労働者の数

産業別に見て行きますと、
製造業:14万7143人(ベトナム人労働者数全体の36.7%)
宿泊業・飲食サービス業:5万8360人(同14.5%)
サービス業:5万2286人(同13.0%)
建設業:4万6783人(同11.7%)
卸売業・小売業:4万3086人(同10.7%)
医療・福祉:4926人(同1.2%)
報通信業:4645人(同1.2%)
教育・学習支援業:1627人(同0.4%)
の順に、ベトナム人労働者が多分野に需要があることが読み取れます。

なぜベトナム人が急増しているのか?

ベトナム政府は海外への労働者の送り出しを積極的に促進しています。
海外の中でも日本が選ばれる理由については、ベトナム国内に日系企業が進出していることや親日家が多いことなどから、日本への労働や学業を目指す若者が増加傾向にあることです。
また、日本の労働者としてベトナム人よりも多かった中国人は、中国の急速な経済発展よって日本に出稼ぎに行くよりも母国での就労を希望する人が増えたことにより、中国人にかわって日本の労働力として期待されるようになったのがベトナム人となってます。
急増中のベトナム人の日本への流れに対しては様々な課題もありますが、日本の労働者不足解消のための政策に合わせた流れは日本とベトナム間の連携が時にはつじつまが合わないまま遂行されています。

外国人労働者と雇用側のミスマッチ

日本で働きたいベトナム人が急増する中、実際に採用が決まり働き始めると、労働時間や雇用形態の不一致や習慣のズレなどから離職するベトナム人も多く見られます。
雇用形態や職場での認識違いなどは日本人どうしの間でもありえることでありますが、さらに警察沙汰となる失踪者や不法労働の問題などまでエスカレートした事件まで進んでしまう現状には、ベトナム人や外国人労働者と雇用側の思惑の違いによるミスマッチが原因のひとつだと言えます。
日本の労働者数の2位を占めるベトナム人は、日本の雇用先から失踪する人数も増える傾向にあります。
このような問題が解決策がなされないままに、さらに新型コロナウィルスによる影響で業務縮小による解雇や倒産などから、行き場を無くしたベトナム人たちがいます。
出入国管理庁は2020年4月、解雇や倒産で仕事を失った外国人に対して転職が可能となる新しい特別措置を設けて帰国不可能な外国人に対しての支援を始めています。
またコロナ禍の移動制限により、採用内定者の移動も通常よりもプロセスが長くなっている現状です。

在留資格・特定技能ベトナム人への期待

新しく新設された在留資格・特定技能は、日本の労働者不足解消のために即戦力となる外国人労働者を募集し、中でも留学生、技能実習生に続いて日本に関心を持つベトナム人の応募者の増加率が高まっています。
日本を目指すベトナム人に対する日本語教育や技術学習、また日本での生活習慣などについてのレクチャーの強化はさらに細かく検討され、実際にベトナム人を育成する機関では、問題に対する解決案を多様な意識改革を試しながら進められています。
日本社会の将来にはベトナム人をはじめ各国外国人労働者の手助けなくては進まない現状がある中、来日する彼らが安心して働きながら生活できる日本を目指すために改善するべき課題はたくさんあります。

コロナ禍の移動制限による影響

コロナ禍の緊急事態宣言に外国人労働者の移動は新年10日(2021年)までは通常通りに行われていましたが、14日以降からは政府が外国人の入国を一時停止しています。
特定技能をはじめ在留資格を取得したベトナム人労働者や各国の外国人労働者の移動が制限されることにより、生産現場や介護業界などの人手不足にさらなる悪影響が出ています。
今後もコロナによる人材採用が保留となるケースがありえると、人手不足の救世主となるベトナム人労働者や各国の外国人労働者が母国で待機する場合が想定されます。
足止めをされているベトナム人の中には、コロナによる自粛中にさらに日本語能力のレベルを上げて学習を進めたりそれぞれの分野別の技能訓練については繰り返し復習しながら日本社会に順応できるように待機しているようです。