ベトナムの法制とは

ベトナムで起業をするためには、ベトナムの法制を理解しておくことが必要です。ベトナムの法制は頻繁に変わるので、定期的に確認をすることをおすすめします。ここでは最新のベトナムの労働法をご紹介します。残業時間や定年退職、労働契約、従業員からの一方的な労働契約の解除などが変更になっています。

改正労働法とは

ベトナムでは2019年に改正され、2021年に施工されたばかりの改正労働法があります。これからベトナム進出をし、現地で採用する企業はこの改正労働法を熟知している必要、また専門家をコンサルタントとして迎え入れる必要があります。

この改正労働法にて最も大きな内容は、これまでの旧労働法では賃金が支給され労働条件など雇用者と被雇用者との合意があると、労働契約と見なされていました。

しかし改正労働法では、これまでの法律の内容に付け加えて、お互いが合意して労働契約を交わしていても、内容が報酬にあっていないと労働契約と看做されます。そのため労働内容にあった賃金を支払う必要があります。

労働法の第13条には以下のように記されています。

「労働契約とは,報酬,賃金を得られる業務,労働条件,労使関係における労働者と使用者の権利および義務に関する労働者と使用者の合意である。

両当事者が異なる名称による合意をしたが,その内容が報酬,賃金を得られる業務及び一方当事者の管理,運営,監察に関する表現であれば,それは労働契約と看做される。」
参照:Jetro

ベトナム人は仕事内容に報酬が合っていない場合、離職をするケースが多い国ですが労働法でもそのことについて触れています。

このため、仕事内容に対して報酬が適切でない、日本人労働者と賃金に差をつけるなどの行為は罰則となるので十分に気をつけてください。このようなことが発覚したら、労働契約は無効となるケースがあります。

こうならないよう、労働法把握し、採用時にしっかりと求職者と話し合うことが重要です。

また給与コストを抑えるのではなく、その分をしっかりと働いてもらうといったスタンスの方がよいでしょう。

電子契約

改正労働法にて大きく変わったのが、これまで契約は書面で交わす必要があったのですが、 新しく電子取引法にて契約をすることができるようになりました。(電子取引法の条件があります。)
また1ヶ月未満の期限のある契約の場合は、口頭で労働契約を結ぶことができます。

労働法第14条労働契約の形態
「電子取引に関する法令に定めるデータメッセージ形式による電子的方法で締結された労 働契約は、書面による労働契約と同等の価値を有する。」

[両当事者は、この法典第 18 条第 2 項、第 145 条第 1 項第 a 号及び第 162 条第 1 項に定める場合を除き、1 ヶ月未満の有期契約について口頭で労働契約を締結することができる。] 参照:Jetro

残業時間

これまでの労働法であれば、上限残業時間は月30時間まで、年間200時間と設定されています。)(例外で300時間まで認められることあり)

改正労働法(第107条)においては、月の上限残業時間は40時間までになりましたが、年間の200時間は変わりません。 つまり繁忙期に残業することはできますが、年間で残業時間を調整する必要があります。

このことを記載している労働法を一部抜粋します。

第 107 条 時間外労働
「労働者の時間外労働の時間数が、1 日の通常の労働時間数の 50%を超えないこと、週当たりの通常の労働時間の規定を適用している場合は通常の労働時間及び時間外労働の時間 数の合計が 1 日あたり 12 時間を超えないこと、1 ヶ月あたり40 時間を超えないことを確 保すること。
本条第 3 項に定める場合を除き、労働者の時間外労働時間数が 1年間に200 時を超えない ことを確保すること。」
参照:Jetro

従業員雇用

これまでの法律では10名以上の従業員を雇用する場合にだけ就業規則の文書を作る必要がありました。 しかし改正労働法(第118条第1項)においては、雇う人数に関係なく、就業規約を作る必要があります。

法律法では以下のように記載しています。
第121条

「10名以上の従業員を雇用する場合には、現行法同様に、文書での作成義 務、就業規則の労働局への登録等が義務付けられています。他方、10名未満の従業 員を雇用する場合には、文書での作成義務や労働局への登録義務はありませんが、 就業規則を有効にするためには、文書で作成し、その効力発生時期を使用者において決定するもの、とされています」
参照:Jetro

いかがでしたでしょうか。ここまで説明した労働法は2021年1月から施工されている改正労働法となります。このためまだ変更になって間もなく、これからベトナムに進出を考えている企業は、把握しておく必要があります。

中には日本と大きく違う労働法もあるため、専門家に相談をすることも必要でしょう。最後に賃金を抑えることだけ考えていると、ベトナム進出は成功しないといっても過言ではありません。