ベトナム人のマネジメントで大事なこと

企業の方針として、ベトナムとのビジネスを進める際に、現場の担当者の頭を悩ませるのがベトナム人メンバーのマネジメント関連ではないでしょうか。言語はもちろん、文化的な背景の違う相手と共に業務をすすめていくことは容易なことではありません。今回はベトナム人のマネジメントにおいて重要なポイントを解説します。

チームワークにおける年齢の重要性

ベトナム人とプロジェクトを進む進める上でいちばん大切にしたいのは、年齢による人間関係の違いです。
これには東アジア言語特有の性質が関係しています。
東アジアにおける言語の多くは中国語が語源になっています。
しかし日本語と他の言語で差が出るのは年齢による関係性が言葉に現れるかどうかです。
例えば韓国語やベトナム語では、相手が年上か年下かによって相手の呼び方や言葉の選び方が全く異なります。
確かに日本語でも形式的に敬語がありますが、敬語は年齢が上だから必ず使わなければいけない、もしくは年齢が下なので使うべきではないなどといった固定ルールは存在しません。
ベトナム語の場合この使い分けが、年齢の上下ではっきり分かれているので、自己紹介をする際には必ず年齢を聞かれたりします。

一方でこのベトナムの年齢階層社会にはデメリットもあります。
日本人がベトナムでのプロジェクトマネジメントを行う上で、自分の年齢が下だと明かしてしまうと相手によっては言うことを聞いてくれない場合もあります。
これには、儒教文化における年齢階層社会で年上を敬って従うという文化関係が関係しています。
ここで筆者がベトナム人の同僚の行動でとても驚いたエピソードがあります。
当時、ベトナム人の採用面接をするにあたり、筆者のベトナム人の同僚が年齢の話に入る前に自分のことを「Chi」と呼び始めたのです。
ベトナム語で自分のことを「私」と言う際には、相手が年下の場合で自分が女性なら「私(Chi)」と呼びます。
反対に相手が自分よりも年上の人に話しかける場合は自分のことを「私(Em)」と呼びます。
筆者の同僚はあらかじめ履歴書を見て自分よりも候補者が年上であったことに気づいていましたが、面接において自分が年下であると2者間の関係に差が出てくるため、あえて自分のことをChiと呼んでいたのです。
最終的に自分の年齢を明かすかどうかはその後の関係性や駆け引きによりますが、年齢の話に入る前にあえて自分を偽ることも戦略の1つだといえるのではないでしょうか。

ベトナムでの「褒める」文化

チームワークを成功させるコツの2つ目は褒めてあげることです。
日本の教育では、失敗を経験し振り返りを繰り返して大きくなるという、ある種の成長の形が存在します。
しかしベトナムでは、失敗への着目よりも成功体験を褒めてあげるということがかなり重要視される傾向にあります。
そのため、プロジェクトマネジメントにおいても細かくマイルストーンを設定し、そのマイルストーンをクリアするごとにお祝いやパーティーを開いたりして褒めてあげることがとても重要です。

実際にベトナムの企業では社内でのMVPコンテストにかなり力を入れており、毎年誰がどのような成果を上げたかをみんなで表彰するというのが企業内文化の重要なポイントでもあります。
日本人からしてみると当たり前にできるようなことでも、ベトナムのチームとプロジェクトを実施する際にはポジティブな気持ちでメンバーを褒めてあげましょう。

ルーティンワークとチャレンジタスク

ベトナム人採用過程で面接をする上で、筆者が候補者から最もよく聞く言葉が、新しいスキルを身に付けてもっと上にチャレンジしたいということです。
その言葉の通り、ベトナム人は上昇志向が強く、どんどん新しいスキルを身に付けて、自分の生活をより豊かにしたいと言う強い気持ちがあるように見えます。
ベトナムは急速な行動経済成長の過程にあるため、努力をしてチャンスをつかんだ人ほど豊かな暮らしができるというベトナムわかりやすいベトナムドリームの枠組みがあります。
そのため、長い時間をかけて何度も振り返りやフィードバックを繰り返して着実に進めるというよりかは、ベトナム人メンバーの好奇心をそそるような新しいチャレンジの課題を出してチャレンジさせるほうがうまくいきます。

反対に保守関係の作業等のルーティンワークに近いタスクにはモチベーションが下がりがちな傾向も見られます。
そのため、固定の過程を繰り返す作業を延々としてタスクとして振る場合、モチベーションを保てないメンバーがでてくるため、タスク分けをする際にメンバー側の意見や希望を尊重することも大切です。
そういった場合には、業務時間内の範囲で新しい技術に関する勉強会を開いたり、ルーティンワークとチャレンジタスクのバランスを考慮したり、適度に業務マネジメントを行うことが必要です。

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